時は1915年。映画の撮影中、橋から落ちて大怪我を負い、病室のベッドに横たわるスタントマンのロイは、自暴自棄になっていた。そこに現れたのは、木から落ちて腕を骨折し、入院中の5才の少女・アレクサンドリア。ロイは動けない自分に代わって、自殺するための薬を薬剤室から盗んで来させようと、思いつきの冒険物語を聞かせ始める。
それは、愛する者や誇りを失い、深い闇に落ちていた6人の勇者たちが、力を合わせて悪に立ち向かう【愛と復讐の叙事詩】―。

2008年の日本公開以来、配信されることなく“幻”とされ続けてきたカルト的ファンタジー『落下の王国』。『ザ・セル』で鮮烈なビジュアル世界を築き、世界に衝撃を与えた“映像の魔術師”ターセム監督が、構想26年、撮影期間4年の歳月をかけて完成させた一級美術品が、ついに圧巻の4Kデジタルリマスターで蘇る。この度、オリジナルの劇場公開版でカットされたシーンが新たに追加され、より濃密な没入体験を実現。CGに頼らず、13の世界遺産、24ヵ国以上のロケーションを巡って撮影された息を吞む“本物”の映像が描き出す、まるで万華鏡を覗くような世界観は、観る者の心を奪い、深く焼きつける。
アメリカが誇る二大巨匠デヴィッド・フィンチャー、スパイク・ジョーンズが、盟友ターセムが私財を投入して挑んだ壮大な自主製作映画の渾身の一作である本作の製作を強力サポート。フランシス・F・コッポラ監督作『ドラキュラ』でアカデミー賞Ⓡ衣装デザイン賞を受賞し、チャン・イーモウ演出の2008年北京オリンピック開会式のコスチュームも担当した、日本が誇る世界的クリエーター、故・石岡瑛子が衣装を手掛け、煌びやかにして未知なる視覚領域を拡張した、独自の美術世界を創出。
世界中のアートやファッション、音楽、建築、民族文化のエッセンスを横断しながら、17年経った今もカルチャーとしての価値を放ち続けるタイムレスな傑作が再びスクリーンに降り立つ。
─手のひらの上では味わえない、あなたの感性を揺さぶる“本物の体験”を。
時は1915年。映画の撮影中、橋から落ちて大怪我を負い、病室のベッドに横たわるスタントマンのロイは、自暴自棄になっていた。そこに現れたのは、木から落ちて腕を骨折し、入院中の5才の少女・アレクサンドリア。ロイは動けない自分に代わって、自殺するための薬を薬剤室から盗んで来させようと、思いつきの冒険物語を聞かせ始める。
それは、愛する者や誇りを失い、深い闇に落ちていた6人の勇者たちが、力を合わせて悪に立ち向かう【愛と復讐の叙事詩】―。
映画の撮影中の事故によって大怪我を負ったスタントマン。
さらに私生活では恋人に振られ、入院中の病室のベッドで、自らの命を絶つことを考えている。アレクサンドリアと出会い、失っていたものを取り戻すことになる。
<物語>の中では、仮面の黒山賊。総督オウディアスによる弟の青山賊の死刑執行を阻止すべく、5人の戦士とともに救出に向かうのだが…。
1979年、オクラホマ州生まれ。ジュリアード音楽院演劇科を卒業後、TV映画『Soldier’s Girl』(03)でトランス女性を演じゴッサム賞受賞、ゴールデングローブ&インディペンデント・スピリット賞ノミネート。舞台『Small Tragedy』(04)でオビー賞受賞&ルシール・ローテル賞にもノミネート。されて注目を浴びる。その後TVシリーズ「プッシング・デイジー 恋するパイメーカー」(07〜09)、「ホルト・アンド・キャッチ・ファイア」(14〜17)などで高い評価を獲得。映画では『グッド・シェパード』(06)、『ホビット』三部作(スランドゥイル役)、MCU『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(14)、『キャプテン・マーベル』(19)のロナン役で世界的な知名度を確立。近年はApple TV+のTVシリーズ「ファウンデーション」(21〜)、ベルリン国際映画祭で初上映された『After This Death』(25)に出演。'26年1月公開予定のエドガー・ライト監督作『ランニング・マン』や、'98年の『プラクティカル・マジック』の続編『Practical Magic 2』('26年9月全米公開)にも新キャストとして参加が決定しており、舞台、映画、TVを横断し活躍を続ける演技派俳優。
家業を助けるためオレンジの収穫中、木から落ちて腕を骨折し、病院に入院している少女。
活発で愛くるしい笑顔と人懐っこさで、病院内の人間から愛されている。ロイが、自分を利用しようとしていることも知らず、ロイが聞かせてくれる物語に夢中になり…。
1997年、ルーマニア・ブカレスト生まれ。映画撮影時は5歳だった。数百人もの候補の中からターセム監督に見出された。カティンカが現実とファンタジーの間を自然に行き来するのに感銘を受けた監督が、その瑞々しい感性が失われぬうちに、ただちに撮影に入ることを希望。撮影が楽しかったと語るカティンカが、最も嬉しかったのが、『ドラキュラ』でアカデミー賞受賞した石岡瑛子のデザインした衣装を着ることだった。現在はイギリス在住。演劇で学士号を取得し、出版に関する大学院の学位も持つ才女へと成長。演技の道は再開の可能性を残しつつも「いつか再び演じたい」と語り、ファンにとっては再びスクリーンで観られる日を心待ちにさせている。
1961年、インド・パンジャブ地方生まれ。
インドのヒマラヤにあるビショップ・コットン・スクールで学び、 24歳で渡米。MTVの最優秀ビデオ賞を受賞したR.E.M.のMV「Losing My Religion」をきっかけにブレイクし、スミノフ、コーラ、ナイキ、リーバイス、ペプシなどのCM監督も手がける。
'00年に『ザ・セル』で長編映画監督デビューし、『落下の王国』は長編映画2作目となる。以降、ヘンリー・カヴィル主演の『インモータルズ』(11)、ジュリア・ロバーツ主演の『白雪姫と鏡の女王』(12)、ライアン・レイノルズ主演の『セルフレス/覚醒した記憶』(15)、TVシリーズ『エメラルドシティ』(17/10エピソード)を監督。'23年には初のパンジャブ語長編映画となった『Dear Jassi』がトロント国際映画祭でプラットフォーム賞を受賞した。広告作品としてカンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルで2度にわたるグランプリ、英国映画テレビ芸術アカデミー(BAFTA)の生涯功労賞を含む、数々の賞を受賞。ターセムの作品はニューヨーク近代美術館にも永久展示されている。
パサデナ・アート・センター・スクール・オブ・デザインを卒業。映画ビジネスのさまざまな部署で、グリップ、脚本家、ビデオ編集者などとして慟ぃた後、パロマー・ピクチャーズのビデオおよびコマーシャル監督となり、ザ・クランベリーズ、ディオンヌ・ファリス、リッキー・リー・ジョーンズなどのアーティストと仕事をした。そのほか、ターセム監督のクリエイティブ・コンサルタントとして、数多くのコマーシャルに携わり、ターセムの最初の劇場用長編映画『ザ・セル』では、アソシエイト・プロデューサーを務めた。
1959年、カリフォルニア生まれ。父は脚本家・映画監督のフランク・D・ギルロイ、兄は『フィクサー』(07)の監督として知られるトニー・ギルロイ。双子の兄弟ジョンも映画編集者という、映画制作者一家に育つ。アル・パチーノとマシュー・マコノヒーが共演した『トゥー・フォー・マネー』(05)で、脚本・製作総指揮として手腕を発揮。スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮を務めた『リアル・スティール』(11)では原案を担当し、『ボーン・レガシー』(12)では、兄トニー・ギルロイと共同で脚本を執筆した。ジェイク・ギレンホール主演の『ナイトクローラー』(14)で監督デビューを果たし、脚本・原案を手がけた『キングコング:髑髏島の巨神』(17)、デンゼル・ワシントン主演の『ローマンという名の男 -信念の行方-』(17)、Netflixオリジナル映画『ベルベット・バズソー:血塗られたギャラリー』(19)では監督・脚本を務めるなど、精力的に活動を続けている。